忍者ブログ
偽島で、とあるパンダの歩いた道。
9  8  7  6  5  4  3  2  1 
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

俺の朝は意外と早い。

日が昇る頃には自然と目が覚めちまう。
賞金稼ぎや傭兵の悲しい性か、ぐっすりと眠る事が出来ないのだろう。
首をゴキゴキ回した後、軽く伸びをする。
俺一人ならさっさと出発するところだが、いかんせんオチビがまだ眠っている。

「『自由研究の課題』ねぇ…それにしちゃ、ずいぶん思いつめたような眼ェしてら…」

現在、初等部の幾沙は中等部への進級の為の『課題』を、この島でするのだという。
中等部へ上がれば、魔力の制御も一段階取れて、外見が成長することが出来る。
幾沙は、この世に生まれて18、9年のはずだ。そして、魔族の寿命はあきれるほど長い。

「何だってまぁ、急いで大人になりたいんだか……」
俺は、煙草に火をつけた。
今日は、朝焼けが綺麗だ。


――1時間後。

「……ほれ、牛乳。」
幾沙は眼をこすりながらマグを受け取る。
「嫌いじゃねぇんだろ?」
幾沙は横に首を振る。
いくら見た目が小学生でも魔族の娘だ。普通に生活してる分では、生命力や持久力に問題はないだろう。
ただ、この島では何が起きるかわからない。
だから、しっかり栄養つけて元気でいてもらわにゃ困る。
無事に親元に帰すときまでは…。

ボリボリと頭を掻きながら煙草の火を地面でもみ消すと、俺は立ち上がった。
「まぁ、そいじゃ、しっかり飲んどけよ?牛乳飲まねぇとボインになれね…」


マグを地面に置く音がした。

 


――俺はダッシュして逃げた。

PR
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
パンダのこと
HN:
パンダ
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
ヘビースモーカーなパンダ系獣人族。
赤いパンチング・グローブがトレードマーク。

「パンダといえば中国四千年」思想に辟易しており、フ★イフェイとかファンフ☆ンとか、人気パンダ風のあだ名に抵抗がある。
ちょい悪オヤジ系のダンディズムを追及中。

プロフィール詳細はリンクから…
熊猫愛好家数
フリーエリア
HOMEへ戻る
忍者ブログ | [PR]
shinobi.jp