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「……お前のお父さん、ホントむかつく。」
俺は、ちょっとやさぐれた気分である。
俺に偽島の『招待状』を手渡した情報屋を、心の中でめいっぱい罵倒する。
情報屋の朧は、凄腕の情報屋なだけではなく未来視の力があることでも有名だった。
それは古くからの付き合いである俺も知っている。
その朧が、偽島に赴く際にこう言った。
『島で女の子にあったら…保護しないとバチ当たるぞ。』
必要以上のことを口にしない寡黙な男なだけに、その予言は心に重くのしかかっていた。
「……ぬぁにが『女の子』だよ…てめーの娘じゃねぇかよ。」
目の前には黒髪蒼目の美少女。見かけは10歳かそこらだが、魔族だからもっと成熟しているはずだ。
彼女の名は幾沙――情報屋・朧の娘である。
父親譲りの寡黙さと母親譲りの勝気さを備えたこの少女の事は、実は、彼女が母親のおなかの中にいる時から知っている。
「…俺、遊びでここにいるわけじゃないんだよね…」
「私も遊びじゃない。『自由研究』の課題してるの。」
「イヤ…あのさぁ…」
そこで、俺は朧の予言の意味に気づく。
『(幾沙を)保護しないと(俺と海幸からの)バチ当たるぞ。』
……あンのゲームオタクめ………!!
俺はがっくりと地面に座り込んでしまう。
「どうしたの?」
しゃがみこんでいる俺を見下ろす父親譲りの何を考えてるんだかわからん瞳。
俺は、ちょっとやさぐれた気分である。
煙草に火をつける。
「なんだ…まぁ…ついて来てもいいけど…邪魔すんなよ。」
「ほんと?」
返事の代わりに煙草の煙で輪を作る。
ていうか、お前のお父さんとお母さんの仕返し怖い、とも言えない。
「…それより…スカートの丈短いよ。パンツ見え…」
幾沙は、何処から取り出したんだかバケツいっぱいの水を俺にかぶせる。
そして水浸しで虚弱な人型になった俺。
目の前には、綺麗に伸びた指に絡まる父親譲りの能力『放電』が迫っていた…。
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赤いパンチング・グローブがトレードマーク。
「パンダといえば中国四千年」思想に辟易しており、フ★イフェイとかファンフ☆ンとか、人気パンダ風のあだ名に抵抗がある。
ちょい悪オヤジ系のダンディズムを追及中。
プロフィール詳細はリンクから…