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偽島で、とあるパンダの歩いた道。
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一週間ぶりの遺跡の外、久しぶりの市場の活気。
集合場所と時間だけを決めて、各自解散した昼下がり。
俺は煙草とちょっとした食材を購入した後、郵便局へ向かった。
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「こんなところに来てまでお勉強かい?何の表を作ってるんだい?」
水の入ったバケツをわきに、端末に向かっている幾沙にモモコが話しかけた。
「どれくらいの水温で人化するのか実験してるから、その結果。」
「水で人化……」
「そうよ。水かぶると強制的にパンダから人型になるから、データ収集してるの。課題だから。」
モモコは少し首をかしげた後、何か思い当たったらしく、頷いた。
「そういえばひょろっこい男になったけ。」
「うん…あ、そうだ。お百姐さん、水温とか、何か知らない?」
今度はモモコが首をふる。
「アタシは知らないねぇ……」
「そっか…。やっぱ地道に努力しないとダメね。」
なにやら改めて気合を入れなおしている。

「ちょいと、旦那…いつまでアタシを無視するつもりだい?」

知らない間についてきていた石壁を、にゃもの遊び相手にと引き渡したその日の午後。
集団から少し外れて一服するのに良さそうな場所を探していた時のことである。
艶っぽい女の声に、俺は辺りを見回す。

星が綺麗な夜。
魔法で灯した小さな灯りを頼りに端末に一生懸命打ち込んでいる幾沙と、隣でゆっくりと体を揺らすナエ。
いつもの夜の光景…と言いたいところだが。
溜息を一つ。

――朝。
食後の一服の為に三本目の煙草に火をつけながら、ちらりと斜め後ろを見る。
相変わらずムッツリとした幾沙が黙って牛乳を飲んでいる。
いや、ムッツリしてるのは元からだが、雰囲気が微妙に刺々しい。
昨晩のこと、まだ怒ってんのか……ったく、やりづれぇなぁ。
煙草の煙でわっかを作りながら、ボリボリと頭を掻く。

その時、幾沙の陰に何かが居る事に気付いた。

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パンダのこと
HN:
パンダ
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性別:
非公開
自己紹介:
ヘビースモーカーなパンダ系獣人族。
赤いパンチング・グローブがトレードマーク。

「パンダといえば中国四千年」思想に辟易しており、フ★イフェイとかファンフ☆ンとか、人気パンダ風のあだ名に抵抗がある。
ちょい悪オヤジ系のダンディズムを追及中。

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